以前、大手教室のジャックと伸芽会を比較した記事を書きました。
幼児教室の選択 ~ジャックか伸芽会か、永遠の悩み~ 前編
幼児教室の選択 ~ジャックか伸芽会か、永遠の悩み~ 後編
今回はこの大手2教室も無視できないほど勢いのある中堅のお受験教室、スイング幼児教室についての体験をまとめてみました。
なお、スイング幼児教室については、我が家は実際に入会したわけではありません。説明会や模試のみの外部生の立場からの感想・分析であり、深く入り込んだ上での記事ではないことをご了承ください。

スイング幼児教室の全体的な感想
スイング幼児教室はネットやSNSでの書き込みなどからこんなイメージでした。
・厳しい、できない子は置いていくスタイル
・あの合格実績(※)は縁故のある子を囲い込んでいるだけ
このように、あまり良い印象がなかったので恐る恐る訪問してみると…
実際のイメージは少し違いました。
・厳しい
→年中・年少の段階から年長秋のゴール設定を基準とした授業をしている。つまり「年中・年少さんだから楽しく~」というような甘えは一切ありません。本番さながらの環境や雰囲気で毎回の授業に挑むこととなります。あとは先生によっても厳しさは違うのかなと思います。
→できない子は置いていく、、とうわけではありませんが、できる子に対してシールを渡したり前に出て拍手したりるすことで、親だけではなく子供もわかるように優劣がはっきり可視化されます。それを見て「次は頑張るぞ!」と思う子なのか、「今回もダメだった」と自信を無くしてしまうのか、それは子供のタイプによるので、親は自身の教育方針や子供の性格を見極める必要があります。
・合格実績
→実際のところは正直わかりません。
が、外部にも扉は開いている印象でした。どちらかというと縁故のない子も志望校(慶應や早稲田)へ仕上げます!という気合を感じます。今まではジャックがキャンセル待ちで入れず別の大手教室へ…と流れていた顧客や、中学受験回避のため小学校受験を考えはじめた縁故はないけれど学歴は申し分ない家庭の受け皿になっていそうです。外部に門戸を開き、優秀なお子様を惹きつけるべく努力されている姿勢も見受けられました。ただし、ジャックとスイング両方受講している生徒の合格実績は2重計上されていますので、どちらに通えば合格を掴めるのかというのは数値化できるものではありません。あくまでも参考程度に見た方がよいと思います。
そして、追加すべきは「営業トーク・プレゼンテーションのうまさ」です。
セミナーに参加するたびに、司会・解説者の方の漫才のような掛け合いは引き込まれます。
これには大手教室にはない親近感さえ感じ、毎回、セミナー終了後には申込書にペンを走らせてしまいそうになりますが、「一旦冷静にならなくては!」と止めるのに必死でした。
ただ、保護者によってはだいぶ好き嫌いが別れるお教室だなという印象を受けました。
※参考:スイング幼児教室の合格実績
(他教室が全ての小学校に敬意を表し五十音順に合格実績を掲載している中、スイングは早慶を前面に出していることからも教室のカラーが出ています。これは家庭により好みが分かれるところです。)
模試を受けてみた感想
我が家はスイングへは入会せず模試のみ参加していました。
そこで感じたことは…
・チェック項目が細かい!!
・レベルが高い!
ことです。
チェック項目が細かいので、普段のお教室とは違う環境で子供がどのような所作をしていたのか、一目瞭然にわかります。これは大変参考になりました。
レベルが高いことについては、年中のこの時期にもうこんな問題をだすのか?とびっくりしていました。これは推測ですが、理由としては以下があげられます。
・授業のスピードが早い(レベルが高い子=志望校に合格する子に標準を合わせて進む)
・本番を想定した授業→模試を繰り返すので、年中のこの時期は「基礎」を固めて…模試で確認する。という考え方ではなく、本番の試験にでる単元を授業でやり模試で出題する。という考え方なのだと思います。
模試の難易度が高く、さぞかし平均点は低いのでは…と思いましたが、そうでもありません。これは凹みました。後日、内部生は似たような問題を授業で解いているから点数が取りやすいので、あまり平等な模試とはいえないそうです。内部生と外部生とでは平均点が大きく差がでるというお話をきいて安心しました。ですので、模試の順位は気にせず、淡々と子供の弱点を分析して今後の対策に活かせばよいのかと思います。(何度も書きますが、弱点分析するためのチェック項目の細かさはすばらしい!)
説明会・セミナーに参加した感想
入会するために参加が必須な説明会や外部生も参加可能な学校分析のセミナーいくつか参加しました。
これは一見の価値ありです。
中堅の幼児教室のため学校は一部に絞られますが、大手教室も驚愕するほどの学校分析がなされています。ジャック幼児教室の情報が一番!と思っていましたが、慶應・早稲田についてはスイングだけでも充分だと思いました。
特に慶應(幼稚舎・横浜初等部)については徹底的に分析がなされています。過去問研究から学校からの情報収集、試験直前・当日のフォローアップは完璧です。
さらには、最近の出題傾向から授業のスタイルを最新化しています。例えば、出題形式が動画での説明が増えてきていますが、それをうけて、模試は同じように動画で説明するスタイルにする…だけではなく、授業の段階から毎回動画で出題したりしています。
ここは大手にはない良さです。学校分析するリソースを(主に慶應へ)集中し、スピード感をもって環境設定、授業へ反映しています。
また、ペーパーはESクラス、Sクラスなど、レベル別の授業があります。これは大手でも一部ありますが、判定別テストが行われていたり、他と比べて露骨にあらわれている印象でした。
通常の授業で妨害してくる子がいてイライラする…レベルの高い授業をもっと!と思う保護者さんには良いシステムだと思いますが、これはご家庭によって好き嫌いが別れるところだと思います。
セミナーに参加して思うことは、これらのようなことを上手にプレゼンテーションしていることです。
いかに自分たちが早慶に合格するための対策をしてきたか、それを実現する体制はどうなっているかなど、聞いている方は「ここにお任せすれば、我が子もあの学校へご縁をいただけるのでは…」と想像してしまいます。

体験授業を受けてみた感想
我が家はスイング幼児教室の体操のクラスを体験しました。本当は子供が苦手としていたペーパーのクラスを受講したかったのですが、まずはジャック幼児教室と比較してみたいという思いからと、あとは単純に日程の都合です。
ジャック幼児教室では「体操」クラスですが、スイング幼児教室では「慶應体操」クラスになります。まず、ここから教室のコンセプトの違いがでています。
ジャック幼児教室では「お受験のすべての基礎となる体操を通して心身を鍛える『教育』」という印象を受けていましたが、スイングでは「慶應の試験当日をターゲットに合格するノウハウを教える『授業』」をしています。
この違い、おわかりになりますでしょうか?
ジャック幼児教室では「体操」は先生と楽しく(ただしふざけるとのは違う)身体を動かすことで、お話を聞く姿勢が身につき、鉄棒や縄跳びなどの『運動』について少しずつ「できた!」という経験を積み上げる授業をしていました。
一方でスイングの体験教室でびっくりしたのは、慶應の試験を意識した単元について、年中までにはできていて欲しい内容について、試験に類似したの出題形式・環境設定のもと、試験を合格するための一連の流れができるように練習する授業をしていました。かつ、その「試験」というのは慶應2校をターゲットにして、同校の頻出度の高い単元やサーキットの完璧性を重視している指導をおこまいます。
ここもかなり賛否が別れるところだと思います。
どんなに日頃の授業で体操ができるこであっても、いつもとは違う環境で、当日の1回しかない試験でできなければご縁をいただくことはできません。スイングではそれを否とし、極力、試験当日のような環境設定し、子供を試験慣れさせることに注力しています。
その代わり「楽しさ」というものはあまり重視していません。お教室が楽しくても合格できなければ意味がないからです。
我が子はジャックの体操では毎回ニコニコ楽しく授業をうけていましたが、スイングの体験授業では(体験ということもあり)笑顔は見られませんでした。一方で最初から最後まで先生のお話を聞き逃すまいと緊張・集中していたと思います。
また、全員ではありませんが、内部生のお子様には本気度が高い『お子様』をお見かけしビックリしました。たとえば、ボール付きがうまくできなくで泣き出してしまう子です。こちらもわかりますでしょうか。。保護者が本気なのはわかるのですが、子供の方にも『頑張るぞ!合格するぞ!』という気合を感じるということです。しかも、当時はまだ年中。年中の段階から子供が受験がある(選抜される)ことを意識していることに衝撃を受けました。その一方で我が家はなんとゆるい受験対策をしていたことか…と思うと同時に、内部性の熱心さにドン引きしてしまう自分もいました。

授業料について
スイング幼児教室と大手教室の授業料の比較表は↓の記事に載せています。
幼児教室の選択 ~ジャックか伸芽会か、永遠の悩み~ 後編
支払う金額としてはジャック以上、伸芽会未満ですが、
1回の授業が70分ですので1分あたりの金額にすると、大手2教室よりも”お得”です。
参観方式であること、授業が毎月4回であること、など、大手2教室の良いとこ取りをしているようにも見えます。
まとめ と 実際のところ…
前評判とは違い、実際にスイング幼児教室にいってみると、非常に合理的に戦略を立てられているお教室だなという印象をもちました。
縁故の全くない我が家にはジャックよりもスイングの方が良いのではとしばらく悩んだものです。
結局、我が家はスイングへの入会を見送り、模試のみ受験する方針にしました。
理由としては以下になります。
・第一志望が慶應2校ではない(現時点では早慶、洗足以外はジャックの方が優位性ありと判断)
・ジャックで新年長から学校別クラスの受講が確定した
・試験慣れは模試で克服するとして、(特に体操は)合否に関わらず楽しく授業をしてほしい
・ワーママなので土日のクラスを希望するも、空きがない
(スイングは田町・白金・自由が丘の3拠点なので通塾も大変!2024年には広尾校もできたそうですが…)
そして、その親の感は当たっていました。
娘は高月齢でもなく成績優秀者ではなかったため、もしスイングに通って志望校に合格できたとしても常に優秀なお子様と比較されるスイングでは自信をなくしていただろうと思います。
我が家は入会を見送りましたが、慶應2校が第一志望のご家庭であれば年中・年少のうちに説明会などに参加して入会を検討しても良いかと思います。
(我が家は、入会を見送るもなにも、内部生ではなかったので希望の曜日の申込ができなかった、ということもありました。ワーママにとって貴重な土日の枠はどのお教室も激戦です)
負けず嫌いなお子様や「何が何でも早慶へ!」というような小学校受験に対して親子で相応な体力を賭けたいご家庭には悪くない教室だと思いました。
ただし、親のバックグラウンドや受験にかける熱意と体力が合否を左右する小学校受験にもかかわらず、子供本人が頑張って成績を上げれば合格できる!と錯覚させてしまう可能性があり、幼少期から必要以上に競争心を刺激し『受験』を背負わせながら子供を育てるのはどうかなと思う部分もあります。また、中学受験アレルギーの私としては、セミナーでご説明いただく講師のお話や、できる子を前面に出し、名指しして褒めたりするスタイルは、中学受験を思い出し、体験や模試を受けるたびに心の奥底がズキズキしました。(中学受験に成功体験のある高学歴家庭にとっては好印象なのかもしれません。)
結局のところ、お受験や就職活動と同様、幼児教室選びにも正解はありません。家庭・子供・教室の相性次第かなと思いました。
最後に…
スイングの模試では「あ、ジャックでお見かけする◯◯ちゃん」と思い、保護者をみるとスイングの保護者ストラップをしている…という状況をよくお見かけしました。
つまりはジャックとスイングの両方にお通いのご家庭も多数いらっしゃるのだと思います。
その体力・財力には感服です。。忙しいワーキングマザーには見果てぬ夢でした。
もし気にっていただけましたら、↓↓クリックをお願いいたします♪↓↓


↓↓お受験に必要となったグッズや知育教材はこちらでも紹介しています↓↓




コメント